飯島国際商標特許事務所
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【国内制度紹介】未登録周知商標の保護

2026-04-25

日本の商標制度は、原則として「先に登録した者に権利を与える(登録主義)」というルールに基づいています。
しかし、この原則には例外があり、商標登録をしていない場合であっても、すでに需要者の間で広く知られている商標(周知商標)については一定の保護が図られています。

具体的には、他人に商標を先取り登録されても「前から有名になるまで使用していた」として継続使用を認める「先使用権(第32条)」という防御の制度や、他人が自分の周知商標と似た商標を出願しても特許庁がその登録を認めない「第4条第1項第10号」という排除の規定が存在します。

このように、わが国の商標法は周知商標の使用者を保護することを建前としていますが、実際にこの保護を受けるためのハードルは決して低くありません。

法的に「周知」であると認められるためには、少なくとも一地方(数県程度)の範囲で広く認識されている必要があり、その立証には広告実績や売上資料などの膨大な客観的証拠を揃えなければならず、多大な労力とコストを要します
こうした立証の困難さを踏まえると、周知性による救済に頼ることはビジネス上の大きなリスクを伴います。
他人の模倣や意図しない先取り出願を確実に防ぎ、ブランドの安全を担保するためには、周知になるのを待つのではなく、「まずは先に出願し、商標登録を受けること」が最も確実かつ賢明な手段といえます。

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